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投球障害肘で発見される「上腕骨小頭離断性骨軟骨炎」は野球を諦める必要はない
先日、クリニックに足を運んでくれた中学生の選手からこんな発言を聞きました。 「別の病院を受診して、上腕骨小頭離断性骨軟骨炎(以下OCD)と診断され、医者から野球をやめるように言われました。」 いやいや、どんなに心無い発言だよ! 目の前になんとか野球を続けたい、肘を良くしたいと願って受診した選手を、目の前で一言で切り捨てる。 そんな医療の世界があってたまるものか、と。 OCDはスポーツを諦める必要はありません。しかし、適切な対応をしなければスポーツどころか、日常生活や将来に影... -
オスグットは大腿四頭筋のストレッチが最も有効を疑え
成長期に多いオスグット・シュラッター病は皆さんも聞いたことがあるかと思います。 検索をしてみると、大抵のサイトには「大腿四頭筋のストレッチ」が取り上げられています。 それで改善するなら、オスグットの膝の痛みに悩む学童期の選手がこんなにいるわけが無いんですよ。 それをあたかも正しいかのように、「痛いうちは運動を休んで、ストレッチをたくさんやりましょう」なんて、んなバカな。 大腿四頭筋の短縮があることはリスクファクターの1つに挙げられますが、オスグットの疼痛緩和はもっと複... -
ヒップリフトでハムストリングスが攣りやすい原因
とある日に聞こえてきた会話 患者:腰上げをするともも裏がいつも攣るんだよ〜 セラピスト:水分しっかり摂りましょうね! 確かにミネラルの不足による電解質異常で、筋の収縮と弛緩がスムーズにできていないことも考えれるけどそこじゃないでしょ! なんて思う、今日この頃〜 治療家として、専門職として目の前の事象に対して何が起きているか、どうすれば改善できるかを考える必要があると私は思います。 誰でも言えることを言って、なんとなく治療していてはセラピスト数が飽和していくこれからを生... -
動きを真似ることによる経験値と身体負荷
先日、クリニックにリハビリで通院している小学校高学年の野球選手A君とのやりとり。 私「投球開始時につま先が外側を向いているけど、そういうフォーム指導を受けているの?」 A君「Youtubeでこうすると球速が速くなるのをみたから」 こんな一幕がありました。 私なりの見解としては、①つま先を外に向けることで股関節外旋位を取りやすくなる⇨②ステップ時に軸足の股関節が外旋位になりやすい⇨③重心移動をする際に早期に荷重がステップ脚に乗るのを防ぐ⇨④上体の突っ込みを抑えて下半身からの力を伝達しやす... -
野球に必要な柔軟性
これまで2回にわたり柔軟性に関連する記事を書きました。今回は、実際に野球選手において私が必要と考える柔軟性の項目を挙げてみたいともいます。 野球に必要な柔軟性 上半身編 大胸筋、小胸筋 どちらも胸の前面につく筋肉です。作用は異なりますが、筋肉が硬くなることによりすくみ肩になりやすくなります。 結果として、投球時に十分な可動域が出なくなってしうため怪我のリスクや出力の低下を伴います。 大円筋、小円筋 肩甲骨から上腕骨に走行する筋肉です。 筋肉が伸びづらくなることにより、肩...