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【徹底解説!】野球の練習後にストレッチは必須!|理学療法士目線で解説

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  • 最近はストレッチに疲労回復効果がないと聞くから、やらなくてもいいんじゃないか
  • ストレッチに時間を使うくらいなら、スキルアップに時間を使いたい
  • ストレッチをする理由がわからない

このような考え方を持つ方も少なくないと思います。実際に私自身が医療現場で働いていても「ストレッチに効果ってあるのか?」という質問をいただくことがあります。

最近は研究結果で運動前のストレッチが怪我やパフォーマンス低下のリスクになり得ることや、トレーニング直後のストレッチが筋力向上効果を阻害する可能性の研究結果が出ています。それらの結果だけが先走っていることや、研究結果の一部分だけが切り抜かれて「ストレッチは逆効果だ」という認識になっているように感じます。

ただ、障害予防の観点からストレッチは必要です。これは医療現場、野球の現場で働いているなかでの経験と論文の内容からも言えます!

練習後のストレッチ習慣を取り入れるか否かで、翌日の身体の動きが変わります。動きが変わるということはパフォーマンスも変わります。全く同じを作ることは難しいですが、再現性を高くすることは可能です。

この記事は「整形外科クリニック勤務7年、野球の障害予防活動7年を経験している、現役で野球に関わる理学療法士の目線」で解説しています。この記事を読むことで、なぜ野球の練習後にストレッチが必要なのか、ストレッチ効果を十分に得るための工夫や部位を知ることができます。

長い野球人生を怪我で棒に振ることがないように、日々のストレッチを習慣化するためのきっかけになると幸いです。

もくじ

練習後のストレッチは「可動域の減少を抑える」ための手段

冒頭でも述べた通り、ストレッチをすることで生じるマイナスの効果があることは確かです。それでも、私はストレッチが必要だと考えて日々指導しています。では、なぜストレッチが必要なのでしょうか。

これに対する私の答えは「筋疲労に伴う姿勢異常や、関節可動域の減少を抑えること」を目的にしているからです。

投球はほとんどの場合が利き手のみで行われます。投球数が多ければ多いほど、投球動作に動員される筋群の疲労は高くなります。(ここでは疲労という言葉を使っていますが、実際に起きていることはもう少し複雑です)

繰り返し使われる筋肉は肩こりのように硬くなってしまいます。例えば、投球動作時には肩後方の筋肉が腕の加速を制御するために大きな力でブレーキをかける役割をします。この動きを繰り返し続けることにより、肩の後ろは凝り固まったような状態になるのです。

この凝り固まった状態では、筋肉が本来持ち合わせている柔軟の動きができないです。引き伸ばそうとしても伸びてくれないので、ストッパーになり可動域制限につながります。可動域が制限されると、他の部位が過剰に動いたり、無理やり動かす状態になり、動作時の運動異常が生じることで障害発生リスクが大きく上昇するのです。

練習後にストレッチを行うことで、凝り固まった筋を適切な柔らかさ、伸びやすさにリセットすることができます。そうすることで、本来の柔軟な動きを維持することが可能で、可動域の減少を抑えることにつながります。結果として、障害発生リスクを減らすことができるのです。

可動域が減少したままプレーをすることは痛みにつながります。痛みがないにしても、競技動作時にいつもと違う動きに対する違和感を感じることがあります。その状態でプレーをしてもうまくいかないことや、出力を上げようとして怪我をするケースもあるのです。使った後の適切なケアが大切なため、ストレッチは必要なのです。このことについては「アームケア」の記事でも書いているので、興味のある方はぜひご覧になってください。

野球の練習後のストレッチ効果を出すための基本2選!

では、どのようにストレッチをするのが良いのかについてです。私がよく指導する際のポイントを2つお伝えします。

1回の時間は30秒を目安に

まず一つ目はストレッチで伸ばす時間です。これらを考える際には次の点を考える必要があります。

  • 年齢 若者or高齢者
  • 対象部位

筋肉の粘り気や質は年齢を重ねるごとに変化してきます。高齢になるほどゆっくり時間をかけてストレッチをする必要が出てきます。これは実際の研究で比較検討された結果もあり、若者は30秒、高齢者は60秒が効果的な時間だと結論づけているものがあります。

また、ハムストリングスと下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)で効果的な秒数が異なるということもわかっています。ハムストリングスを対象とした研究では30秒以上が効果的、ふくらはぎを対象とした研究では1−2分が効果的という結果があります。これに関しては全ての筋肉に対して調べることができないので、私は以下の研究結果を参考に「30秒」と決めています。

3 つのストレッチング時間(15 秒と 30 秒、60 秒) の週 5 回、6 週間継続した結果,全てのストレッチ ング時間で柔軟性は増加するが,30 秒のストレッ チング時間が効率的かつ効果的に関節可動域を増加 させることが可能である。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/mpta/33/1/33_11/_pdf

気になる方はリンクにしていますので、URLをクリックして論文を読んでみてください。

中にはストレッチの痛みに耐えられず、30秒間伸ばせないという人もいると思います。そんな方はセット数で補っても同じ効果が得られるのでオススメです!
ex)30秒×3セット 計90秒 →15秒×6セット 計90秒

ストレッチ頻度はなるべく高頻度にする

「毎日ストレッチをしなさい」という言葉は昔からよく耳にする言葉ですよね。でも、これは意外に的を射ていると言えます。その考えの根拠がこちらです。

一週間のストレッチング時間を 360 秒(6 分間)として,週 1 回にまとめて行う群と週 3 回に 分けて 1 回 120 秒(2 分間)行う群で関節可動域の 増加効果を比較した結果,週 3 回の介入頻度で関節 可動域が有意に増加するが,週 1 回群では関節可動 域が増加しない結果となっている。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/mpta/33/1/33_11/_pdf

たまにやるだけではストレッチ効果の恩恵が受けられません。ましてや競技アスリートの場合は、週5日以上ハードに全身を使っているわけですから日々のケアは欠かせないはずです。

練習後のストレッチで「必ず」やるべき部位

野球選手が最低限ここだけはストレッチをしておいてほしい部位を紹介します。これは野球肩のリスクとしてよく挙げられる11項目の中から選んだ部位になります。

  • 広背筋、大円筋
  • 棘下筋、小円筋
  • 上腕三頭筋
  • 大胸筋、小胸筋
  • ハムストリングス
  • 内転筋

どれだけ忙しくてもここだけは必ずストレッチしてください。投球動作は全身動作なので、肩だけのストレッチでは不十分です。下半身の可動域が減少すると、そこで生み出せなかった分の力を上半身が代償する必要があります。代償により過度な活動を起こした間接には大きなストレスがかかり、障害につながるリスクになり得るのです。

練習後のストレッチで障害、パフォーマンス低下を抑える!

競技練習はただの運動とは違い、身体各所にとって大きなストレスになります。高いレベルを目指せば目指すほど動作に求められる力は大きくなり、関節や筋肉にかかる負担も増え、疲労が溜まりやすくなります。

この、疲労が溜まった状態は可動域の減少を引き起こし、運動時のスムーズな動きを阻害します。結果として障害発生につながる可能性が上がるのです。また、可動性が減少した状態での運動は本来の動きとのギャップを感じさせ、パフォーマンスに影響を及ぼしかねません。翌日以降に疲労を残さないように、十分なケアを行う必要があるのです。

障害により、野球を長期離脱してしまうと成長できる時間が削られてしまいます。そうならないよう可能な限り健康的に、長く競技を続けてほしいからこそ、ストレッチをしっかり行っていく必要があると考えます。

ストレッチだけでは障害リスクを完全に排除することはできません。しかし、ストレッチにより障害発生リスクを軽減することはできますし、パフォーマンスへの悪影響を取り除くこともできます。加えて、ストレッチで可動域向上を図ることによりパフォーマンスへの好影響も期待できるので一石二鳥だと私は考えます。

これからの競技人生をより良いものにするために、ぜひストレッチをする習慣をつけてください!

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