今回はいつものテイストと変えて、保護者や指導者の方向けの内容としてみます。
よく野球で、ピッチングや守備の送球時などに「肘をもっとあげなさい」っていう声がけしませんか?もしくは聞きませんか?
この「肘をあげなさい」というキューイング自体を悪いとは思いません。実際に肘が下がってしまっている現象を指摘しているのですから。
しかし、肘が下がっている原因は様々で「上げる」意識では改善しないことがほとんどなのです。大切なのは「肘が上がりやすい状態」を作ることなのです。
この記事では、「肘を上げなさい」と言ってもなかなか変化のない選手に対して、どこを注意すると変化が出やすいのかがわかります!
本日のお品書き
肘が上がらない原因は、上げる準備ができていないから

肘が上がらない選手のほとんどは「上げるための準備」ができていないです。
じゃあ、その準備ってなんなのかです。
肩甲骨が下がっている
まず1つ目は投球側の肩甲骨が下がってしまっていることです。
日々の投球により、身体の左右のバランスは崩れていきます。多いの背中の筋肉が硬くなってしまい、投球側の肩甲骨が下がってしまいます。
肩甲骨と上腕骨は連動して動くため、肘を高く上げていくには肩甲骨の動きが不可欠なのです。その肩甲骨が下がっている状態では、上腕骨がスムーズに上がってこないため結果として、肘が上がりづらくなるのです。
巻き方のような姿勢
2つ目は、巻き肩のような姿勢です。勉強やゲーム、スマートフォンなどで前方の作業に集中する時、人は首が前方に偏位しやすくなります。
そのような姿勢が長時間続いていると、首の前の筋肉や胸の筋肉が硬く凝り固まってしまい、巻き肩になってしまいます。そうすると、肩甲骨は前に頷くように傾くのです。
テイクバックをする際には、肩甲骨は後に傾く動きが必要となるので、肩甲骨が前に傾いた状態だと動きづらくなります。結果として肘が上げづらくなるのです。
骨盤が寝やすい(後傾しやすい)
3つ目は骨盤が寝やすい選手です。これにも原因はいくつかありますが、多くは腿裏の筋肉の柔軟性低下や、内腿の筋肉の柔軟性が低下しているケースが多いです。
骨盤が寝ることで背骨は丸まりやすくなります。本来投球する際は、胸の骨は可能な限りまっすぐになることが必要です。
その背骨が丸まってしまうと、肩の可動域に制限をきたすので、同時に肘をあげることが難しくなります。
なかなか肘が上がらない選手には上記3点をチェックする!

「肘をあげなさい」と言った時になかなか肘が上がらない選手がいる場合は、上の3点であれば保護者や指導者でもチェックが可能だと思うので見てあげてください。
日々、身体をチェックする習慣はとても大事です。この点に関しては下の記事を読んでいただければと思います。

「肘が上がらない」には何かしらの原因があるはずなのです。もちろん、その場で修正できないことも多いとは思うので繰り返し練習していく必要もあります。ただ、結果までの道筋を一緒に探ってあげることも大切だと私は考えます。これは選手といる時間が長い保護者や指導者だからこそ、寄り添って一緒に考えられることだと思います。
選手の技術面だけを見るのではなく、痛みや動かしずらさ、客観的な視点から選手を見てあげてください。身体に関してわからないことがある時や、不安が少しでもある場合は病院を受診して専門家の意見を聞くと良いです。
まとめ
- 「肘が上がらない」選手には技術面ではなく身体的要因があることも
- 肩甲骨の位置、姿勢、骨盤の位置の3点が影響していることが多いためチェックする
- 身体に関してわからないことや、不安があれば病院を受診する
選手の動きはひょんなことから変わることも多いです。そのきっかけの1つを常日頃そばにいる、指導者や保護者の方から与えてあげてください!