第32話 オスグットは大腿四頭筋のストレッチが最も有効を疑え

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 成長期に多いオスグット・シュラッター病は皆さんも聞いたことがあるかと思います。

 検索をしてみると、大抵のサイトには「大腿四頭筋のストレッチ」が取り上げられています。

 それで改善するなら、オスグットの膝の痛みに悩む学童期の選手がこんなにいるわけが無いんですよ。

 それをあたかも正しいかのように、「痛いうちは運動を休んで、ストレッチをたくさんやりましょう」なんて、んなバカな。

 大腿四頭筋の短縮があることはリスクファクターの1つに挙げられますが、オスグットの疼痛緩和はもっと複雑です。

 筆者としては「下肢柔軟性の改善を図り、体幹筋群や臀筋群の機能促通をすることで、適切な姿勢制御を獲得する」が適切な対応ではないかと考えます。

 今日は筆者なりのオスグットの治療戦略についてです。

オスグットってどうしてなるのか

 じゃあそもそも、オスグットってどんなものなのかです。

 基本的には成長期の選手に多い疾患です。

 骨端線閉鎖前の選手は、骨強度がまだ弱く大腿四頭筋を介して膝蓋靭帯からの牽引ストレスを受けやすいことが挙げられます。

 運動量の多さが取り上げられることが多いですが、どちらかといえば大腿四頭筋のover useが強いられているケースの方が多い印象です。

オスグットのセルフチェックと対処法

セルフチェック

 簡単なセルフチェックとして、膝のお皿の下に弾力性のある靭帯に触れる⇨延長線上に骨が触れられる。

 この触れられる骨を押した際に、強い痛みが生じないか左右で比較して盛り上がっていないかなどが挙げられます。

 ほかにも、膝を曲げた際の痛みや膝を伸ばす力に抵抗を加えた際に痛みが出ないか、なども挙げられます。

対処法

 痛みが強く出た際の応急処置としてはアイシングがげられます。

 痛みが和らいだとしても、病院受診をし検査を受けることをお勧めます。痛みだけでなく、骨の障害度合も含めて一度診てもらうのが無難でしょう。

オスグットを治療するために何をすれば良いのか

 では、実際の治療戦略についてです。

運動強度の設定

 まずは運動強度の設定です。日常生活を送る中で歩行や階段昇降等で痛い場合は、1週間程度の間疼痛管理に努めることを優先します。

 運動から離脱する期間を少しでも少なくするためには炎症の強い状態を長期化させたくはありません。疼痛管理は選手や保護者、指導者の理解も必要です。

柔軟性の獲得

 先述した通り、大腿四頭筋はあくまで要素の1つです。むしろ、ハムストリングスの柔軟性が低下している選手が多い印象を受けるほどです。

 ハムストリングスの短縮の影響から、骨盤後傾位を呈します。その影響でジャンプ動作やしゃがみ動作のなかで、後方重心になりやすく、カウンターで過度に膝関節の位置が前方に位置することで、大腿四頭筋の過負荷となります。

 このように、大腿四頭筋そのものの硬さだけでなく、他の筋肉の柔軟性を評価する必要があります。

 評価としてはSLR、HBD、HipER/IR 、足関節背屈可動域、開脚を筆者は診ています。

体幹安定性

 動作時の体幹安定性の欠如により、下肢は姿勢制御として過剰に働かなければいけません。

 片脚立位保持やファンクショナルリーチテスト、静的体幹トレーニングでの体幹安定性評価などで確認します。

臀筋機能

 しゃがみ動作やジャンプ動作の際には臀筋が適切に働かないと、十分な股関節伸展筋力を発揮することができません。結果として、大腿四頭筋による膝関節伸展動作で補わなければいけなくなります

 また動作時のKnee-inを防ぐためにも臀筋の働きはとても重要になるため、膝関節周囲のコンディショニングには必要不可欠です。

 大臀筋、中臀筋は、臨床でも特に筋力低下が見受けられる場所でもあるため、必ず評価しましょう。

姿勢制御

 実際の動作を分析した際に多いのは、膝が前方に位置したパワーポジション片脚スクワットテストの際のKnee-inです。

 股関節のヒンジ動作が適切に行われていないことがほとんどなので、コレクティブエクササイズなどで筋機能を賦活した上で、フィードバックを用いながら姿勢制御を学ぶことが重要です。

まとめ

 オスグット=大腿四頭筋のストレッチは安易すぎるのでは、と思い今回はこの記事を書きました。

 障害発生要因となっている筋肉の影響だけでなく、その筋肉がなぜ過剰に働かなくてはいけない状態になってしまっているかをいかに分析できるかです。

 オスグットで苦しむ選手が一人でも少なくなればと思います。

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