第24話 野球肘、野球肩などの投球障害リスクをどう予防するか

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 みなさんこんにちは。今回は野球をしたことがある方や、野球をしている保護者の中で1度は聞いたことがあるであろう「野球肘・野球肩」に関して触れていこうかと思います。

 私が勤務しているクリニックは地域にねざしたスポーツクリニックであることや、年間で4-5箇所を野球肘検診で訪問することもあり多くの数を経験させていただいています。

 また、トレーナーとして高校野球部に関わらせていただいている経緯もあり幅広い年代の投球障害の治療をしています。

 私の経験や考えがみなさんの役に少しでも立てればと思いながらあれこれぼやきたいと思います。

野球肘、野球肩とは何か

 そもそも「野球肘・野球肩とはなんぞや」というところから始まりますね。

 広義でいう野球肘や野球肩は「野球をやっている人たちの中で、投球時や肩の痛みがある」ということを指すという認識で構わないです。

 なぜかというと病院を受診した際に検査をし、特別な異常所見が見られない場合は野球肘・野球肩という診断名がつくことが多いからです

 しかし中には、肘内側の骨分離(上腕骨内側上顆骨端線離開、分離や分節)や外側の軟骨障害(上腕骨小頭離断性骨軟骨炎)、上腕骨の骨障害(上腕骨近位骨端線離開)などの適切な治療が求められるものが隠れいているケースも少なくはありません。

 そのため、指導者や保護者の方は選手が「肘が痛い」「肩が痛い」と言った際には可能な限り受診をすることを私は推奨しています

 痛みが出ていたが、「少し投球休止期間を作って投げたら問題ない」や「多少の痛みは我慢しなさい」なんていうのは極めて危険です。

 簡単に考えずに、早期に受診しましょう!

野球肘、野球肩になりやすいケース

 では、実際に野球肘や野球肩になりやすい選手たちはどういう人が多いでしょうか。リストにあげてみます。

  • 練習量が多いチームに所属している選手
  • 投球機会が多いポジションの選手 投手・捕手
  • 成長期で急に身長が伸びた選手
  • 投球フォームを修正・変更したばかりの選手

練習量が多い、投球機会が多い選手

 上2つの項目はなんとなく想像がつきやすいかもしれませんが、そもそもの投げる球数が多ければ多いほど、その分身体の各部位には疲労が溜まっていき怪我をするリスクは上がります。

 基本的に野球をやっている人で両投げということは稀有なので、左右一方の肘や肩に繰り返しストレスがかかり続けてしまいます。

成長期で急に身長が伸びた選手

 成長期に身長が伸びている選手に関しては、急激な骨成長に伴い筋肉が引き伸ばされることで柔軟性が低下しやすい時期になります。

 特に腿裏の筋肉(ハムストリングス)は著しく柔軟性低下が引き起こされやすいです。

 投球動作は全身動作であるため、下半身の柔軟性が低下することでスムーズに全身が動かず上半身へのストレスが増加してしまいます。

フォームの修正・変更をした選手

 多いのはオーバースローからサイドスローに変更した選手や、好きな選手のフォームを真似て修正した選手が挙げられます。

 決してそれ自体が悪いことではありません。

 しかし、選手個人個人にはその選手の特性がありますし、合う合わないがあります。

 また、フォームを作り上げるには身体に関する知識や、それ相応の時間がかかるのです。

野球肘、野球肩のリスクをどう減らすか

 なりやすい選手の特徴を簡単ではありますが上にまとめました。

 じゃあ、どうしたら投球障害リスクを減らせるのかについてです。

身体のチェックリストを作る 

 まずは1つはセルフチェックリストを作ることです。あまり多くする必要はありませんが、押して痛いところはないか、肘の屈伸に左右差がないか、肘がしなった時に痛みがないかなどが挙げられます。

 下半身に関しては、前屈をして床に手がつくか、開脚をして骨盤を立てた状態で身長近くまで開くことができるか、踵を上げずにうんち座りができるかなどでしょうか。

 挙げ出したらたくさん出てきてしまいますが、簡単にでも自分で日々チェックできる項目を作ることをおすすめします。

良いところも悪いところも自分の身体の変化おいては敏感になりましょう。

練習量に負けない体力作り

 次に体力を作ることです。

 むやみやたらにトレーニングをしろ、走り込みなさいというわけではありません。

 ここでいう体力とは十分な柔軟性可動性筋力を日々の鍛錬で身につけていきなさい、ということです。

 投球動作は全身運動です。全身がスムーズに動くことでロスなく最適な動きを実現することができます。

 大きな可動域で、適切なタイミングで力を発揮することが重要です。

 そのために必要な関節可動性、筋力を身につけましょう。この辺は後日また、別の記事でまとめようと思います。

オフの過ごし方 

 オフの時間があるからこそ、ゆっくりと自分の身体に向き合いましょう

 向き合い方は人それぞれです。軽い有酸素運動をしてリフレッシュするもいいでしょうし、ボールやストレッチポール、マッサージガンを用いて筋疲労回復に努めるも一つです。

 時間があるからダラダラする、遊ぶだけではなく、時間があるからこそ普段できないことをやるべきです。少なくともあなたがアスリートならば。

 もちろん、余暇活動も大切です。息抜きの時間も必要なので時間を決めて有効的な時間の使い方ができると良いですね。

練習量のコントロール

 投球数が多ければ多いほど肘や肩のストレスはかかります。これは小学生では骨へのストレス中学生高学年や高校生以上であれば靭帯や筋のストレスがより強くかかります。

 これは成長過程における人の組織強度から言えることです。

 そのため、1日の中での投球数や週の中での投球数を可能な範囲でコントロールすることが重要で、かつ障害予防には有効的です。

 投げること以外にも野球において重要な要素は無数にあるので、指導者さんが中心になって練習メニューの考案、コントロールを適切に行う必要があります。

終わりに

 言いたいことをあれこれ書いていたら少し長くなってしまいました。

 うまくまとまっているかが心配です。笑

 投球障害である野球肘、野球肩の予防は非常に重要です。意外と身近なものであるが故に軽視されやすい印象を持ちます。

 しかし、重症化や予後を考えた上で保護者や指導者の方々には選手を極力病院受診させて欲しいです。

 まずは、どうすれば野球肘や野球肩になりやすいのかを把握した上で、どう予防していく方法があるのかを認識していただく機会になればとこの記事を書きました。

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